サプリメントでヒアルロン酸を体内に取り込むことはできる?
肌のハリを回復したり、関節の痛みを和らげるのに効果的なヒアルロン酸は、サプリメントでもたくさんの種類が出まわっています。
一般的に化粧品等に配合されることの多いヒアルロン酸ですが、飲むことで体内に吸収されるものなのでしょうか。今回は、ヒアルロン酸をサプリメントで取り込むことは出来るのかについて詳しく解説します。
コラーゲンと並び、美肌効果に注目の集まるヒアルロン酸は、高い保水能力を保持する栄養素です。
肌のハリを与える成分であるのはもちろん、関節において骨と骨の衝撃を抑えるクッション材のような役割も果たしているため、運動機能改善サプリメントの配合成分としても使われています。
ヒアルロン酸は元々人間の体にある栄養素で、加齢とともに減少していくと言われています。年齢とともに不調が表れるのはヒアルロン酸不足が一因と考えられたこともあり、サプリメントで摂取するのが良いと一時大きな話題にもなりました。
しかし大々的に広まったにも関わらず、摂取しても体内で吸収されることはなく効果はないという、有効性を否定するデータが発表されました。化粧水などの化粧品でも同じく、塗っている間は肌表面の保水力が高まるが、浸透することはないとも言われていたのです。
美肌効果の宣伝で大きな話題を呼んだ成分でもあるため、この問題が原因で一時ヒアルロン酸に対する懐疑的な声が多く聞かれたのは言うまでもありません。
しかしその後、あるメーカーの研究によってこの一説が覆されました。分子量の大きいヒアルロン酸を経口摂取しても、腸で吸収されることが証明されたのです。
腸で吸収される過程には腸内細菌が大きく関わっており、人によって効果の感じ方に差があるのは腸内細菌の状況に大きく関係しているのではないかとも発表されました。
経口摂取したヒアルロン酸は腸内細菌によって低分子化され、腸管から吸収されて血中や皮膚へと運ばれていきます。分子が大きいままだと吸収されないため、低分子化される過程が重要であると考えられているのです。
こうして皮膚へと届けられたヒアルロン酸はコラーゲンの分解を抑制したり、繊維芽細胞を増殖させる働きをし、シワの軽減やハリの回復へと導いてくれます。1gあたり6?もの水分を保持する能力に加え、紫外線ダメージによる光老化の防止にも役立っているのです。
ここまで、サプリメントでヒアルロン酸を体内に取り込むことができるかについて解説してきました。一時その有効性に対して懐疑的な声や否定する声が多く上がったヒアルロン酸の経口摂取についてですが、現在のところ新しい研究データにより認められています。
但し、効果を実感できる人と出来ない人がいることも事実であり、それには腸内細菌が大きく関係しているようです。低分子化されなければ体へ行き渡ることはありません。
そのため、ヒアルロン酸サプリメントを摂取する場合には吸収率を高められるよう、腸内細菌のバランスを整える努力も必要といえるでしょう。